アジアにおける整体マッサージ / Bodywork Massage in Asia

アジアは、古代から人間の心身を整えるための知恵と技術が受け継がれてきた地域です。
それぞれの国に根ざしたマッサージや整体技術は、単なる「気持ちよさ」にとどまらず、宗教・哲学・伝統医学と融合した“人を整える文化”として世界中から注目されています。
本記事では、アジア各地で発展してきた代表的なマッサージを国別に紹介します。日本にいながら各国の技術を体験できるサロンも合わせて特集していく予定です。
🇯🇵 日本
あん摩・指圧・整体・リラクゼーション
- 特徴:手技による揉捏(じゅうねつ)や圧迫、バランス調整が中心
- あん摩:皮膚や筋肉を揉み解す伝統手技(東洋医学的視点)
- 指圧:経絡やツボへの圧で全身の流れを整える
- 整体:骨格調整・姿勢改善を目的にした民間療法(西洋由来も)
- 国家資格制度あり:「あん摩マッサージ指圧師」は国家資格として制度化
- 現代の傾向:リラクゼーションと治療の境界が明確に分かれる
🇰🇷 韓国
骨気(コルギ)・韓方ボディケア
- 骨気(コルギ):顔や骨格に深くアプローチする美容整体法
- 韓方マッサージ:韓方薬+指圧を組み合わせた女性向けケア
- 特徴:美容・小顔・ダイエットを目的とした施術が多い
- 国家資格あり:「徒手理学療法士」としての制度も一部導入
🇹🇭 タイ
タイ古式マッサージ(Nuad Thai)
- 特徴:指圧とストレッチを組み合わせた“動く瞑想”とも呼ばれる
- 背景:仏教医学とインド医学の融合/ユネスコ無形文化遺産に登録(2019)
- スタイル:床マットにて着衣のまま施術、全身をじっくり伸ばす
- 日本国内でも人気:タイ政府認定セラピストによる本格施術も広まる
🇨🇳 中国
推拿(すいな)マッサージ
- 特徴:経絡とツボを使って、筋肉や臓器にアプローチ
- 位置づけ:中医学の一部として鍼灸・漢方と併用されることも
- 技法:揉む、押す、引く、振るなど約30種類の手技
- 施術者:中医師免許保有者が実施するケースもある
🇮🇳 インド
アーユルヴェーダマッサージ(アビヤンガ)
- 特徴:体質(ドーシャ)に合わせたオイルを使って全身を浄化
- 哲学:「5元素理論」と「生命エネルギーのバランス」思想に基づく
- 施術内容:オイル塗布+マルマ(急所)への圧、パンチャカルマなど
- 医師管理の施設も存在:特に南インド・ケララ州が本場
🇻🇳 ベトナム
ベトナム式マッサージ
- 特徴:足つぼ・頭・首・肩を中心とした軽圧リラクゼーション
- 文化的背景:中国医学の影響が強く、タイ式と融合した手技も多い
- ローカル色が強い:屋台マッサージから高級スパまで幅広く存在
🇮🇩 インドネシア
バリニーズマッサージ
- 特徴:指圧・ロングストローク・オイルを駆使した癒しの手技
- 精神性:ヒンドゥー教に基づいた“浄化”や“気の調整”が含まれる
- スパ文化との融合:花や香り、音楽など五感を意識した空間演出が魅力
🇲🇾 マレーシア
ウルット(Urut Melayu)
- 特徴:筋膜・リンパ・神経系に沿ったオイルマッサージ
- 女性の健康ケアが中心:妊婦ケア・産後ケアに特化した施術もある
- 文化的背景:マレー伝統医学+イスラム文化の影響
🇲🇲 ミャンマー
トゥナマッサージ
- 特徴:タイ式と中医学の融合、村ごとに異なる技法も存在
- 伝統性:僧侶による施術や仏教とのつながりが深い
- スタイル:ストレッチと指圧の中間のような、素朴で力強い施術
まとめ
アジアのマッサージは、癒しの手技であると同時に、身体と心と社会をつなぐ文化装置でもあります。
それぞれの国が大切にしてきた「整える知恵」を知ることは、その国をより深く理解することにもつながります。
今後、世界の整体マッサージ情報館では、各国のマッサージ技術だけでなく、日本国内でその施術が受けられるおすすめ店舗・セラピスト情報もあわせて発信していきます。
あなたの“次の癒し”のヒントが、ここにありますように!
編集:事務局(一色)