中国四千年の手技「推拿(すいな)」とは?経絡に沿った本格整体の魅力

推拿(すいな)とは何か?
中国伝統医学の流れを汲む**推拿(すいな)は、「押す(推)」「つかむ・揉む(拿)」という意味を持ちます。中国では医療の一環としても広く行われており、単なるリラクゼーションではなく、“未病(みびょう)を治す”**という考えに基づいた施術です。
日本で言う整体や指圧に近い存在ですが、そのルーツや理論、施術スタイルには大きな違いがあります。
経絡と気の流れを整える
推拿の基本は、**経絡(けいらく)**と呼ばれるエネルギーの通り道を意識して、ツボ(経穴)に対して多様な手技を使いアプローチすること。
「気・血・津液(しんえき)」の流れを整えることで、体調不良の予防・改善を目指します。主に使用される手技は以下のようなもの:
- 掌で押す「按(あん)」
- 指で圧をかける「点(てん)」
- 揉み込むような「揉(じゅう)」
- 軽く叩くような「拍(はく)」
- 揺らしながら整える「抖(とう)」
これらの動きを、患者の体質や症状に合わせて使い分けるのが、推拿施術者の腕の見せ所です。
医療と密接に関わるマッサージ
中国では、国家資格を持つ「中医推拿師」が病院や中医クリニックで活躍しています。肩こりや腰痛はもちろん、**内臓の不調や睡眠障害、消化不良、女性特有の不調(生理痛や更年期症状)**に対する施術も行われています。
特に小児推拿といわれる子ども向けの施術も確立されており、薬に頼らないケアとして信頼を集めています。
実際に受けるとどうなる?
筆者が実際に中国・上海の中医クリニックで推拿を受けた際は、以下のような印象を持ちました:
- リズミカルで力強い手技
- 施術中は少し痛みを感じるが、後で血流が一気に良くなる感覚
- 終わったあとは体が軽く、深く眠れるようになった
まさに「体が整えられた」という印象でした。
日本でも受けられる?
現在では、日本にも中医理論に基づいた推拿を学べるスクールや、実際に施術を行うサロンが増えてきています。ただし、本場と比べると施術の深さや考え方に違いがある場合もあるため、施術者の経歴や知識の深さを確認することをおすすめします。
まとめ:癒しだけじゃない、本格的な身体調整法
推拿は、リラクゼーションマッサージでは味わえない“内から整う感覚”が得られる本格手技です。東洋医学の理論を取り入れた、体質改善・不調予防・根本治療を目指したい人に特におすすめです。
表面的なコリではなく、体の巡りやバランスそのものを整えたい人は、ぜひ一度「推拿」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。