北アメリカにおける整体マッサージ / Bodywork Massage in North America

科学とヒーリングが共存するマッサージの最前線

マッサージと聞くとアジアの伝統療法を思い浮かべがちですが、北アメリカは近代マッサージの制度化と科学的進化が進んだ地域です。
国家資格制度、保険適用、理学療法との連携など、世界でも有数の「施術者の地位が高い」地域と言えます。

今回は、アメリカ合衆国・カナダ・メキシコのマッサージ文化と代表的な手技療法をご紹介します。

🇺🇸 アメリカ合衆国

Massage Therapy(マッサージセラピー)

  • 国家ライセンス制度(州ごと)が整備され、医療・リハビリ・ウェルネス業界で活躍
  • 科学的根拠(エビデンス)を重視し、筋膜リリースやリンパドレナージュなど多様化
  • リラクゼーションとメディカル(治療目的)に明確な棲み分けがある

主な技術:

技法説明
スウェディッシュマッサージリラクゼーションの定番。軽擦・揉捏・振動など多様な手技で全身をほぐす
ディープティッシュマッサージ深層筋へアプローチする強圧系。スポーツ選手にも人気
トリガーポイントセラピー筋硬結を圧迫・解除して慢性痛を緩和
筋膜リリース筋膜の癒着を解放し、動きを回復する
リンパドレナージュリンパの流れを促進し、免疫や浮腫の改善に寄与
プレネイタルマッサージ妊婦向け専門施術。安全性と姿勢管理が重要視される

資格と制度

  • 州ごとにMassage Therapist License(LMT)制度を運用
  • 主要州(カリフォルニア・ニューヨークなど)では700〜1000時間以上の学習が必須
  • 医療補助保険や職業訓練にも組み込まれている

🇨🇦 カナダ

Registered Massage Therapy(RMT)

  • カナダではRegistered Massage Therapist(登録マッサージセラピスト)制度があり、信頼性が高い
  • 一部州では医療職に準じる資格として認知されており、医師の紹介で保険適用されるケースも

主な施術分野

分野内容
リハビリ支援整形外科手術後、事故後の回復ケアに対応
疼痛管理慢性腰痛、偏頭痛、線維筋痛症など
妊娠・更年期ケア専門知識に基づいた女性のケアが進んでいる
スポーツマッサージオリンピックやプロスポーツ選手のサポート実績あり

制度面

  • ブリティッシュ・コロンビア州、オンタリオ州などではRMT試験に合格+2200時間以上の専門教育が義務化
  • 学術的な知識(解剖学・生理学・病理学)と実技を融合したカリキュラム

🇲🇽 メキシコ

マッサヘ・テラピア(Terapia de Masaje)

  • 伝統的ヒーリングと現代マッサージが共存する国
  • 特に地方では「カレンデリズモ(民間療法)」やヒーラー的マッサージが今も生きている
  • 一方で都市部では欧米式のスパ・セラピー文化が発展中

主な施術スタイル

スタイル内容
伝統療法(Sobada)胃下垂・婦人科不調など内臓の不調を整える施術。信仰・儀式と結びつくことも
メディカルマッサージ理学療法士と連携した近代的手技。筋骨格の問題に対応
アロマ・スパ式リゾート地に多く存在し、観光客向けに特化

現地事情

  • 医療制度は州により異なり、施術の質・ライセンスも多様
  • ホリスティック(全体調和)への意識が高い

編集:事務局(一色)

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