あん摩 マッサージ 指圧ってどう違うの?

「あん摩・マッサージ・指圧」ってどう違うの?
〜 名称だけじゃない、手技のルーツと特徴を正しく理解しよう 〜
肩がこる、腰が重い、全身がだるい
そんな時に受けたくなるのが「マッサージ」でもよく見ると「あん摩」「マッサージ」「指圧」「リラクゼーション」「もみほぐし」など、似ているようで異なる言葉が使われています。
「あん摩」「マッサージ」「指圧」と表記されているものは、国家資格の「あん摩マッサージ指圧師」が習得する専門的な手技であり、法律上はひとつの資格でカバーされています。法的に資格が必要で無資格者が行えば、違法行為(あはき法違反)になります。
しかし「リラクゼーション」「もみほぐし」は国家資格を必要とせず、誰でも開業・施術が可能な業態となります。
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今回は、「あん摩・マッサージ・指圧」の違いを、そのルーツや手法、目的の違いの観点から解説していきます。
発祥とルーツ
名称 | 発祥 | ルーツ |
按摩(あんま) | 中国 | 東洋医学(経絡・気血) |
マッサージ | ヨーロッパ | 西洋医学(解剖・生理) |
指圧 | 日本 | 東洋思想 + 独自発展 |
施術の手法と特徴
◎ 按摩(あんま)
- 手のひらや指で揉む・さする・押す・叩く・回すといった動作を用いる
- 全身の経絡(けいらく)やツボ(経穴)に沿って施術
- 「気の流れ」や「陰陽・五行説」など、東洋的な生命観に基づく
- 血行促進・疲労回復・自律神経調整などに効果
◆手技のバリエーションが豊富!日本では江戸時代から広く行われていた伝統療法。
◎ マッサージ
- 西洋発祥の手技療法
- 皮膚・筋肉・血管・リンパに対して、揉む・擦る・圧迫する・伸ばすなどの動き
- 解剖学・生理学に基づき、血液やリンパの流れを促進
- 欧米の理学療法の一部としても使用される
◆リハビリやスポーツケアでも活用される、機能改善に強い技術。
◎ 指圧
- 日本で発展した技法で、手や指を使って一点に対して垂直に圧をかける
- ツボや経絡を意識しながら、全身のバランスを整える
- 道具を使わず“圧”だけで施術を行うのが特徴
- 頭痛・疲労・内臓不調・精神安定など、幅広い効果が期待される
◆“指一本で体全体を整える”とも言われる、繊細かつ深い施術。
施術の印象と目的
名称 | 印象 | ルーツ |
按摩(あんま) | やさしく心地よい | 気の巡りを整える、全身の調整 |
マッサージ | 力強く動的 | 筋肉・血流・リンパへのアプローチ |
指圧 | ピンポイントで深い圧 | 自律神経・内臓・精神面の安定 |
「どれがいい?」ではなく「何に効かせたいか」で選ぶ
実際の施術では、この3つを組み合わせて使うことが一般的です。
- 血行促進や筋肉の疲れに → マッサージ中心
- 自律神経や不眠に → 指圧を中心に
- 胃腸の不調や全身の倦怠感に → あん摩的アプローチ
◆大切なのは、自分の不調の種類と目的に合った施術を受けること。施術者がこれらの技術を的確に使い分けることで、体の深い部分に働きかけることができます。
最後に
あん摩・マッサージ・指圧は、いずれも深い専門知識と技術を要する手技です。国家資格はしっかりと勉強してきた、知識がある証明です。また国家資格を有する「あん摩マッサージ指圧師」は医療類似行為としての施術が認められており、安全かつ効果的に体を整えるプロフェッショナルです。
リラクゼーションやもみほぐしを業となしている方々の中でも、勉強をしている人はいるでしょう。しかしその技量は接してみないとわかりません。
心と体のメンテナンスとして、正しい知識と信頼できる施術者を選んでみてください。
編集:事務局(一色)